今もなお人気を維持『涼宮ハルヒの憂鬱』県立北高校女子セーラー服

『涼宮ハルヒの憂鬱』作品の舞台は兵庫県西宮市周辺

ストーリーが展開する「県立北高」は、原作者「谷川流」の母校である兵庫県立西宮北高等学校がモデルとされており、アニメ版のロケハンやCDジャケットの撮影などが同高校で行われています。

なお、県立西宮高校の実際の制服は紺色のブレザーであり、「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場する県立北高のセーラー服とは一切関係がありません。
県立北高の青い襟のセーラー服は、イラスト担当「いとうのいぢ」により作品のために独自にデザインされたもので、既存の学校制服にこのタイプのセーラー服は存在しません。

ちなみに余談ながら、兵庫県立西宮北高等学校の図書室はラノベが多いなどオタク色が濃くなっているらしいとか。

県立北高校の女子制服の特徴「名古屋襟」

セーラージャケット

この「涼宮ハルヒの憂鬱」の県立北高のセーラー服は非常に珍しいデザインをしており、既存の実在セーラー服には無い特徴がたくさんあります。

その最大の特徴が「名古屋襟」と呼ばれる、胸元から深くV字に切り込む大きなセーラー襟です。全国的には少数派ではありますが、公立・私立を問わず中京・東海地域（愛知県周辺）の中学校・高校にこのデザインのセーラー服が多いことからそのように呼ばれます。岐阜県や三重県などにも広く分布し、「名古屋」という狭い地域に限ったものではないことから、最近では「愛知型」セーラー服とも呼ばれています。

中京地域のローカルなセーラー服のデザインが全国に知られるようになったのは、1972年開始のNHK『中学生日記』になります。NHK名古屋放送局が前身の『中学生次郎』から制作、名古屋市内の「東南中学校」という架空の学校が舞台となっていることから、必然的に学校制服は「名古屋襟」となったのでした。2008年まで名古屋襟が続きますが、以降は普通の制服に変更されています。

多くの人が馴染みのある既存の一般的なセーラー服の襟は、「関東襟」と呼ばれるバストよりも上で首回りのみとなるもので、この『涼宮ハルヒ』の北高制服のセーラー服ではV字の切れ込みはおヘソの付近にまで達します。実際の名古屋襟のセーラー服よりも、さらにV字の切れ込みが深くなっています。

このことから、襟のフロント部分とリアの肩部分のバランスの取り方が非常に難しくなっており、V字のラインが肩で折り返す際に、崩れてしまっている衣装が時々見られます。V字の切れ込みが深い分、さらに胸当ても大きくなることからこのバランスも難しくなるのです。

ゆるふわに着るハルヒのセーラー服

2つ目の大きな特徴は、セーラー服の裾にあります。

通常、セーラー服の裾はそのままボトムアウトさせるのが一般的ではありますが、この県立北高のセーラー服では裾をスカートへボトムインさせるデザインであるのが他に類を見ない珍しい点になります。

この裾をボトムインさせることから、セーラー服の構造も裾はたっぷりと生地を使い広く取ってある必要があります。中にはこの裾の長さが足りず、ボトムアウトで着ているハルヒのコスプレを見かけることがありますが、これは大きく間違っています。また、ボトムインしたとしましても、裾の長さが足りない場合にはパッツンパッツンとなってしまっており、ハルヒのゆる～い感じが消えてしまっています。

この県立北高のセーラー服は、袖や胴回りなど全体的にふわっとゆったりと着るようなデザインでなければなりません。要注意点といたしましては、ゆったりと着ることができるかどうか、イラストなどと見比べてみることをお勧めいたします。