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コスプレ衣装のレンタル事業が普及しない3つの理由

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高価なコスプレ衣装はレンタルをしない

成人式の晴着や卒業式で着る袴、それに結婚式のウェディングドレスなど、人生の節目に1回しか使用しないような衣装にはレンタル事業があります。結婚式に呼ばれた時などのパーティドレスも、人生の中でそう何回も使わないことから購入するよりもレンタルするのが一般的かとは思います。

これらのレンタル事業は、検索をしますといくつもの業者が存在していることから、ビジネスとしてそれなりに利益が出る事業であることが判ります。

元々、晴着や袴にウェディングドレスなどは購入しますと10万円前後から数十万円と高価な衣装です。パーティドレスは数万円と、比較的コスプレ衣装の価格に近くもあります。

衣装をレンタルするメリットは、費用を抑えることができると同時に流行を追うことができる、そして保管場所やメンテナンスの手間がいらないという点にあります。

そこでコスプレ衣装で考えてみますと、上記の人生の節目イベントと同じように回数を着るものでは無いことが共通しています。さらに、仕上がりがよい衣装は高価であるという点も共通しています。

ところが、検索をしてみましてもアニメキャラクターのコスプレ衣装のレンタルは、ほぼ皆無であることが判ります。一部撮影スタジオなどがレンタルを行なってはいますが、限定的でスタジオ撮影とのセットでありイベントへの持ち出しはできません。

以前、秋葉原でイベント持ち出し用に2泊3日などでのアニメキャラクターのコスプレ衣装をレンタルしていたショップがありましたが、今では検索にも引っかかってきませんので事業としては成立しなかったと見るのが適当です。

ハロウィンやクリスマスパーティ用の衣装や学生服などは、1,000~2,000円前後でレンタルできるところはたくさんあるようです。またカラオケやラブホテルなどでも衣装レンタルはありますが、今回はこの類の衣装は対象にはしていません。

なぜ、アニメ・ゲームキャラクターのコスプレ衣装にはレンタルが無いのでしょうか。そういったお店があれば、購入よりも安く済むわけですから、コスプレイヤーやカメラマンなどがイベント参加用や撮影用として借りるのに、と誰もが思うことでしょう。

先の秋葉原のレンタルショップは、おそらくはそういった思惑で始めたのだとは思います。

キャラのコスプレ衣装レンタルが成立しない理由

ここで、キャラクターコスプレ衣装のレンタルに関してのご質問をいただきましたので、まとめておきます。

先のようにアニメやゲームのキャラクター衣装のレンタル事業者がほとんどいないということは、基本的にコスプレ衣装のレンタルは事業としては成立しないと考えています。仮にレンタル事業があったとしても、それは他の本業をサポートする利益は度外視の付帯事業であるということです。

その理由といたしまして、

  1. コスプレ衣装はプラモデルやフィギュアと同じくコレクション的な要素が強い
    アニメに限らず、車や鉄道ファンなどの〝オタク〟と呼ばれる人たちは、コレクション数の多さを仲間内で競います。数が多いこと、質で優れていることに対してリスペクト(尊敬)を集め、暗黙のウチに優越感に浸るのが〝オタク〟の特性です。
    コスプレ衣装でも多くの人がクローゼットに何十着と並んでいる、部屋に飾ってある姿を見るだけで幸せを感じている人は多いのではないかと思われます。たとえ1回しか着ていなくても、持っていることに意味があります。
  2. 体型は人それぞれであることから、サイズ調節をしないと使えない
    キャラクターを再現する上で、ブカブカでダブダブではみっともありません。既製の衣装といえども、ウェストやバスト周りは修正をする必要があります。また、自分好みに細部をアレンジすることもあり、購入そのままではイベント等では使えないのがコスプレ衣装でもあります。
  3. 繰り返しの使用に耐えられるだけの耐久性が無い
    一般的にレンタル事業とする場合には、調達コストをペイして利益を上げなければいけません。そうした時に回転率というのが重要になるのですが、コスプレ衣装というのは装飾も多く破損もし易いために一般服に比べて耐久性が劣るのが普通です。クリーニングコストも含めて、事業ベースには乗せにくい事情もあります。

    そもそも、クリーニングをした友達の衣装を借りるのならまだしも、ドコの誰だか判らない人が着て汗をかいたものを着たいとは思わないのが〝洋服〟です。このため、コスプレ衣装の中古市場というものが非常に小さいことからも明らかです。中古衣装として流通ができるのは、1回だけの使用とか室内だけの使用の場合に限られます。

イベントでも滅多にお目にかかれないコスパ製の衣装であれば、何万円も出して購入はできないけど1回着てみたいという人は多く、3,000円くらいで借りられれば需要はあるでしょうけど…あとは、撮影スタジオなどでのレンタルであれば、汚れることも少なく次々とチェンジしながら撮影ができるため、ある程度の需要があります。

以上のような背景から、コスプレ衣装の単体でのレンタル事業は成立しない考えています。先に述べた撮影スタジオや、学園祭向け等の機材レンタルとの併用であれば、目玉としてはあり得るかもしれません。それ以外の場合には、購入してしまった方が結果としてお得になるのです。

実際にアテーセでも、撮影スタジオやメディア制作会社(AV?)と思われる会社名義での購入がありますし、TV番組制作会社から問い合わせを受けることもあります。まぁ某AVのパッケージに、「コレうちの衣装だぁ~!」と見つけてしまった時には、品質を認めて使ってくれてウレシイ反面、ちょっと複雑な気持ちにはなりましたケド(汗)

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