コスプレ衣装『化物語』直江津高校女子制服が8年ぶりの復活

化物語・直江津高校制服が復活

「化物語」の直江津高校女子制服が、幾多の困難を乗り越えて復活いたしました。イベントで見かける化物語ガハラさんや委員長などのコスプレにおいて、何度も「その色、違～う！」「そのシルエットおかしい!?」と心の声で叫んでおりました。

こちらのコスプレ衣装は、何年か前に"オトナの事情"により自主的に廃止した衣装です。取り下げる前、製作した10着のうち8着までが公開したと同時に瞬殺で売れた衣装でもあります。基本シルエットはそのままに、細かい部分でいろいろと改良しています。

コスプレ衣装の通販ラインナップから取り下げた後も、Blogの方には製作の経過記事が残っていましたから、そちらをご覧になった方からの「化物語の制服は再販しないのですか？」というお問い合わせを何件かいただいていたものです。「化物語」も、「終物語」でそろそろ原作もアニメも完結するっぽいですから、コスプレ衣装を製作するのならここが最後となるのでしょう。

前回の直江津高校制服は、原作イラストのカラーに準拠したことからスカートとネクタイがグレーでした。他のコスプレ衣装ショップは、そのほとんどがアニメカラーで出してきていたことから、その意味もあって珍しかったようで原作カラーのグレーのスカートが瞬殺で売れた、とも考えられます。

しかしながら、スカートをこの原作カラーの「グレー」にした最大の理由は、スカートの紫色で納得できる既存カラーが無かったから、というのが実際のところでもありました。グレーのスカートの方が、実在する高校制服に近いと理由を付けてはおりましたが、ある意味カラーがアニメと異なるよりはマシという妥協でもあったのでした。

市販される多くの化物語コスプレ衣装で色が違う

今回のコスプレ衣装の生産において最も苦労したのが、制服のカラーの部分です。また、最もこだわった部分もこの「紫色」です。

パターンは前回製作したものをトレースすれば、シルエットは綺麗に仕上がることは間違いなく、多くのコスプレイヤーさんに納得していただけると自負しています。

『化物語』という作品は、いろんな部分で規格外のところがあることが、その最大の特徴であり魅力にもなっています。衣装の構造、カラーもその一つです。

直江津高校の女子制服を再生産するにあたり、いくつかの既存生地で試作を試みましたが、どれもイメージとはしっくり来ません。微妙に「何か違う」感が出まくっているのです。初回に製作した8年前の衣装の方がまだ、アニメのイメージに近いものがあります。同じカラーの生地は、なかなか手に入らないのが現状です。

この「カラー」の問題を解消すべく、決断いたしました。今回、この直江津高校の女子制服は、コスプレ衣装ショップを開設以来で初経験でもある生地を専用に染め上げるところからやっています。

カラーチャートから、カラーの配合を細かくパーセンテージで指定、一番アニメイメージに近いカラーを選んでみました。アノ会社と同じことをやっているわけです。コストは上がりますが、既存生地でイメージからはズレる中間色でカラーを妥協しながら作るよりは、満足の出来る色で作った方が自分でも納得が出来ます。

生地の染めから企画する効果は絶大で、検索で出てくる直江津高校女子制服の色って、みんなオカシイでしょう。某公式のコスプレ衣装を製作する会社が生地染めからにこだわるのも、やってみるとうなづけます。ですが、それはコストとの引き換えとなるのです。

見えない裏側にもこだわる化物語のコスプレ衣装

当然ながら、スカートにもきちんと裏地を付けてあります。ローアングルからの撮影で動きが付いた際にはチラリと見える部分であり、しゃがんだりベッドなどに座った撮影などでも見える（見せる）可能性がある部分だからです。

ジャケットの裏地もさすがの日本製であり、以前の中国製と比べますとシワも無く綺麗に付いており、仕上がりの満足度も非常に高くなっています。見えない部分、普段は写真には写らない部分ではありますが、それでも制服としての重厚感や美しいシルエットを出すためには全く関係無くはないので、妥協せずにこだわる部分です。

おかげで、要求が高いことからこれまでに何度も縫製工場から「そんな複雑な仕様は引き受けられない」と断わられることもあります。そのようにしながら、仕上がってくるコスプレ衣装たちでもあるのでした。

ジャケットの胸ポケットも飾りでは無く、ちゃんとペンを入れられるよう実用的になっています。その分のコストは確実に値上がりしますが、ガハラさんのコスプレをする際には外せない必須項目となるのは、化物語を知っている人ならば解っていただけると思います。